1990年に設立した東京都立川の鍛冶屋兼木材工房 MAio-108。日本が誇る伝統技術“鍛冶”で、高級住宅やホテル、レストランなどの門扉や手摺、照明、オブジェなどを手掛ける。その高いデザイン性や確かな技術力は業種を問わず、様々なシーンで注目を集めている。
主役であるバスの車体に焦点を当てるため、引き立て役としてアートフレームは"究極のシンプルさ"を表現する仕様で製作。"スタイリッシュさ"を追求しフレームの細さにこだわったため、デザインと強度のバランスを考えながら製作していく。
アートフレームで使用している素材のステンレスは溶接の際に溶けやすく、鉄と比べると扱いが難しい。さらに、今回は細くて薄い仕様のため、通常の製品加工よりも時間と手間を要する作業に。
溶接のつなぎ目が見えないように、また塗料が密着しやすいように、丁寧に研磨を行うことで表面を滑らかにしていく。塗装については、「長年使用したバス車体のマットな板面」を意識し、つや消しの塗料を使用することで控えめだが重厚感のある色彩に仕上げる。
過去、図面通りに製作しても、実際に展示してみると光が反射して存在感が表に出過ぎイメージと異なることがあった。その時は、その場で製品を研磨し光を抑える作業を行った。プロダクトだけでなく様々な場面で空間演出を行ってきたMAio108だからこそ作り上げることができたデザイン×仕様のアートフレームである。